おはようございます。

名古屋身体均整院の立石です。

昨年12月、医療法人六星会元理事長で、愛知県一宮市にある「たいようクリニック」及び「デイケアセンター」の院長だった佐藤俊夫医師が急逝されました。69歳でした。当日朝までお元気だったと聞き、あまりに突然の訃報に驚きを隠せません。佐藤先生のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様には心よりお悔やみ申し上げます。

新年を迎え、私自身の心の整理をつけるためにも、本日から3回に分けて佐藤先生との思い出をつづります。「シュタイナー」(ルドルフ・シュタイナー/19世紀末から20世紀にかけてオーストリアやドイツで活動した神秘思想家、哲学者、教育者)に関する話は少し難しいかもしれませんが、どうぞ最後までお付き合いください。

佐藤先生とは、同じ一宮市内にある私の治療院に“患者”としてお越しいただいたことで出会いました。先生は、名古屋市立大学医学部を卒業された医師。名古屋市衛生局やトヨタ自動車グループの社外産業医などを経て、内科や心療内科を専門とするクリニックを開業した“エリート”です。私は治療家を35年近くやっていますが、これまでエリート医師が治療に訪れるようなことは、ほとんどありませんでした。

「医者か?」「どんな人だ?」と、つい気張って治療に臨んだことを鮮明に覚えています。初対面なのに何となくお顔に見覚えがあったので、話を聞き進めていくと医師として活動するかたわら、「シュタイナー医学と漢方」の研究をされているとのこと。私も以前からシュタイナー医学には興味があり、少し前にネット検索で佐藤先生のホームページを知って「へえ、近くでこのような医療をされている方がいるんだ」「勉強会に行ってみたい」と思ったことを思い出しました。

シュタイナー医学では、人間は「霊」「魂」「体」の3つの世界から成り立っていると考えられ、三分節(頭部を中心とした神経感覚系、運動のための四肢と食物を消化吸収する代謝系、先の2つをつなぐリズム系)が動的でありながらもバランスが取れている状態を「健康」ととらえます。先生には何度か来院いただき、いろいろなお話をうかがいました。施術にいらしているのに私の方が勉強をさせてもらっている感じで、私のぶしつけな質問にも丁寧にお答えいただきました。

私が10代の頃に参加していた「気功の会」に先生も所属されるなど、ご縁を感じる共通点がたくさんありました。また、先生には『医師の天使学』『GA245 秘教的修行の指針』などシュタイナーに関する著書をいただきました。お礼に、と言っては失礼ですが、私の方は自分が長年研究してきた整体法やセルフヒーリング(仁神術)についてお伝えました。先生は私より年齢が一回りも上なのに、私の話に熱心に耳を傾けられ、一治療家に過ぎない私に対して真摯に向き合ってくれました。

最初こそ「こんな話をして、医者である先生はどう感じるのだろう?」と思いましたが、私が自信を持って伝えたことに先生はいつも感動してくれました。特にセルフヒーリングに関しては、先生自身もシュタイナーの「霊魂体」から仁神術との関係性を見つけてきて、私に「こんなのができましたよ!」と“研究結果”をうれしそうに教えてくれました。現在、私は先生との共同作業のような形で誕生した研究の成果を治療に活用しています。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。