肩こりの原因で次いで多いのが、腕の疲労です。私たちは知らず知らずのうちに「腕」にかなりの負担をかけています。
日常生活を思い起こしてみて下さい。
例えば歩くという行為。通常歩くといえば、足と腰を使うと考えますが、実は腕も歩く行為に重要な働きをしています。
腕をふる、腕でバランスをとる、転びそうになったら腕で体を支えるなど、腕もかなりの運動量です。
荷物を持つ、吊革につかまる、書き物をする、パソコンを打つ、新聞を広げて読む……などといった行為にも腕は活躍しています。
腕は、私たち日常のあらゆる行為に関連しているにも関わらず、その“運動量”に目を向けられることは、意外と少ないといえます。
歩き疲れて「足を揉む」というアフターケアはしても、「腕の疲れをとる」ことはほとんどしません。
ですから、腕に疲労がたまってそれが肩こりの元となっても、なんの不思議もないのです。
腕の疲労による肩こりは、肩のだるさや肩胛骨の違和感となります。
肩こりの原因となるものは、眼疲労、首の骨の歪みと続きます。その他の原因であることも、もちろん十分に考えられます。
肩こりの原因は、実にさまざまです。賢明な方なら、私が言わんとするところはすでにお分かりと思います。
そうです。肩こりという同一の症状にも、それを引き起こしている原因はこれほどあるのです。
肩こりの治療の方法は、当然、同じであるはずがありません。それぞれの原因を取り除き、肩こりという表出する症状を改善していかない限り、根本的な治療にはならないのです。
肩の痛みを引き起こしている原因は、いったい何なのか。
この判断は非常に重要な治療ポイントとなります。原因を探ることなく、肩こり=電気や温熱パックで温めただけでは、根本的治療とはいえません。
一時的に痛みが和らぐことはあっても、しばらくするとまた痛みはぶり返し、「慢性的」な痛みを繰り返すことになります。