現代医学で痛みは治せるのか?①
「初歩的な誤診はないか」
体に不調を感じた時、まず皆さんがすることは何でしょう。
薬を飲む? 病院へ行く? おそらく、そのどちらかを選択するに違いありません。
もちろん「ちょっとした風邪くらいなら、薬に頼らず1 日じっと寝て治す」こともあります。
しかし、なかなか治らない場合にはやはり、「病院へ行って注射を打ってもらおう」というのが通常でしょう。
そもそも一般的には「病気は医者が治すもの」という認識があります。医者は特別な学問をし、体のメカニズムを熟知したエキスパート そんな“常識”があるからでしょう。
「お医者さんの言うことだから・・・」と、無条件に処方された薬を飲み、治療を受ける。
もちろん、最近では「インフォームドコンセント」の概念が発達してきましたから、病気の原因や治療法については、医師と患者との間には相互理解が成立するための努力が始まっています。
ここで、ひとつの例をお話ししましょう。私の医師筋にあたる人から聞いたお話です。
ある日、風邪から肺炎を起こし、病院で治療を受けているにも関わらず、まったく快方に向かわないといって心配したお母さんが、子供を連れて来院してきたそうです。
その方は、さっそく治療を開始しました。まず行ったのは後頭部を温めるという方法です。するとどうでしょう。見る見るうちにポツポツと、皮膚に赤い湿疹が現れ出したのです。見ると麻疹
(はしか)です。
「何か薬を塗ったのではありませんか?」と聞くと、
お母さんはそうだと答えます。
「お子さんの症状は麻疹です。なぜ薬など塗ったのですか!」
思わず強い口調になって聞いてみると、なんと、薬を塗ったのは皮膚科のお医者さんだというではありませんか。
「麻疹に薬を塗るという行為もさることながら、それを行ったのが医師だということにひどくびっくりしましたね」
おそらくその医師は、麻疹を単なる湿疹と誤診したのではないかと、その方は私に話してくれました。
麻疹は、毒素を体の外に出すという解毒の作用が必要な症状です。体の構造が、毒素を体の外へ出そうとして発疹を起こしているのです。
ですから、麻疹になったら、発疹をおさえる治療は行ってはいけないのです。
無理矢理それを止めてしまうと、毒素は体の中にたまってしまいます。
皮膚と呼吸器には密接な関係がありますから、皮膚に現れる症状をおさえてしまうと、その毒素は呼吸器に異変を起こしてしまいます。それが肺炎を起こしている元凶だったのです。
薬を飲んでも、注射をしても、一向に肺炎が治らなかった、体の構造を熟知しているはずの医療のエキスパートである医師が、極めて初歩的な治療の方法を誤ったためといって過言ではないでしょう。インフォームドコンセント以前の問題だと言わざるをえません。
次回続く。